【STUDY|材質】素材紹介(アクリル編part1)
『プラスチックの女王』とも呼ばれるアクリル。
透明度が非常に高く、光透過率は93%にもなり、ガラスより光を通す素材です。
またガラスよりも強度があり、耐衝撃度はガラスの10数倍です。
耐候性も持ち合わせているため、屋外で使用しても問題ありません(経年劣化は除く)。
3Dプリンターのアクリル素材も増えてきているため、万能な素材と言ってよいでしょう。
接着・曲げ加工も可能で、切削加工もしやすい材料ですが、切削すると切断面が白く濁るため、鏡面(透明)にするには後処理(バフ、バーナー磨き)が必要になります。
1.製造方法
アクリルは大まかに製法が2種類あります。
・押出…アクリル原料をローラーとローラーの間に押し流して、板を作り出す製法
・キャスト…二枚のガラス板の間にゴムパッキンを挟み、その中にアクリル原料を充填、重合させる製法※三菱レイヨンHPより引用
イメージとしては、押出製法はパスタの生地をローラーで伸ばすイメージ、キャストはチョコレートを型に入れて作るイメージです。
2.製法による特性
押出とキャストによる製法によって、一般グレードのアクリルの特性は大きく変わってきます。
押出 | キャスト | |
生産性 | 小品種だが、生産性は高い |
多種だが、生産性は低い |
加工(切削) | △ | 〇 |
加工(接着) | 〇 | △ |
加工(曲げ) | 〇 | △ |
板厚精度 | 高い | 低い |
規格サイズ | 多い | 少ない |
板厚サイズ | 厚くても20㎜まで | 厚物可能(100㎜まで) |
色種類 | 少ない | 多い |
価格 | 安い | 高い |
3.型番
各メーカーによるアクリルの型番は異なります。
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押出 |
キャスト |
三菱レイヨン |
アクリライトEX |
アクリライトS・L |
旭化成 |
デラグラスA |
デラグラスK |
クラレ |
コモグラス |
パラグラス |
住友化学 |
スミペックスE・GT |
スミペックスAS |
カナセ工業 |
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カナセライト |
日東樹脂工業 |
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クラレックス |
菱晃 |
アクリミラーMS |
アクリミラーM・ハーフミラーMRH |
5.アクリル丸棒・アクリルパイプ
板材の他にもアクリルの丸棒やアクリルパイプもあります。
アクリルの丸棒には気泡が入っているものもあります。
まとめ
アクリルは製造方法により、特性が異なる事が分かりました。
また、量産可能なのは押出製法なので、価格もキャストに比べ安価となります。
機械カバー・機械部品等で、アクリルの指定が特になければ安価な押出板を提案しています。
Part2では工業用途に使用されるアクリルの特性を説明します。